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研究者総覧「情報知」

附属組込みシステム研究センター

氏 名
石川 拓也(いしかわ たくや)
講座等
職 名
特任助教
学 位
博士(情報科学)
研究分野
組込みシステム / リアルタイム処理 / オペレーティングシステム
石川 拓也

研究内容

高信頼組込みリアルタイムシステム用SPFの開発

 大規模・複雑化が進む組込みリアルタイムシステムの開発において,開発コストの低減や開発期間の短縮が求められている.組込みリアルタイムシステムにおけるソフトウェアの開発に関して,開発効率向上のために,リアルタイムオペレーティングシステム(OS)などのソフトウェアプラットフォーム技術が用いられている.さらに近年では,安全性が重要視される高信頼システムのアプリケーション開発に適用するための,保護機能を持ったプラットフォーム技術が提案されている.保護機能とは,あるアプリケーションに生じた障害が波及し,システムの安全性に関わる他のアプリケーションに障害が発生することを防ぐために,アプリケーションを分離するための機能である.本研究では,特に,メモリ空間の分離,および,CPU時間の分離機能に着目して,プラットフォームの保護機能を開発している.
 一方で,組込みリアルタイムシステムは,システムを構成する個々の処理が,それぞれ決まった時間内に終了することが重要な性質であり,開発時に,個々の処理が決まった時間内に終了することが可能かどうか(スケジューラビリティと呼ぶ)を解析する必要がある.本研究では,保護機能を持ったプラットフォームを開発するとともに,そのプラットフォーム上に構築したアプリケーションのスケジューラビリティを解析する技術についても研究している.


特に以下の研究テーマに力を入れています.

  • ・自動車制御システム向けソフトウェアプラットフォームの開発
    • − AUTOSAR仕様ベースのリアルタイムOSにおかるメモリ保護機能,時間保護機能の開発および性能評価
  • ・時間保護機能を持ったリアルタイムOSにおけるスケジューラビリティ解析手法の研究

経歴

  • 2013年名古屋大学大学院情報科学研究科博士課程後期課程修了。
  • 2014年名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター研究員。
  • 2015年同特任助教。現在に至る。

所属学会

  •  

主要論文・著書

  1. Takuya Ishikawa, Takuya Azumi, Hiroshi Oyama and Hiroaki Takada, "HR-TECS: Component Technology for Embedded Systems with Memory Protection", The 16th IEEE International Symposium on Object/component/service-oriented Real-time distributed computing, Paderborn, Germany, June 2013.
  2. 石川拓也,本田晋也,高田広章,"静的なメモリ配置を行うメモリ保護機能を持ったリアルタイムOS",コンピュータソフトウェア,Vol.29,No.4,pp. 161-181,Nov. 2012.
  3. 石川拓也,松原豊,高田広章,"周期タスクの初期位相分布を考慮した応答時間の確率的解析",情報処理学会論文誌,Vol.52,No.12,pp. 3192–3204,Dec. 2011.