TOP > 研究活動 > 研究者総覧「情報知」 > メディア科学専攻 > 認知情報論講座 > 前東 晃礼

研究者総覧「情報知」

メディア科学専攻

氏 名
前東 晃礼(まえひがし あきひろ)
講座等
認知情報論講座
職 名
特任助教
学 位
博士(情報科学)
研究分野
認知科学 / ヒューマンインタフェース・インタラクション / 実験心理学
前東 晃礼

研究内容

人と人工物とのインタラクションに関する認知科学的研究
 

人間はどのように人工物を生成または利用して、人間の身体・認知機能を拡大または強化しているのかということに関心がある。これまでに、(1)自動化システムや(2)3D印刷されたオブジェクトの利用が、人間の認知活動や行動に与える影響について研究を行ってきた。


(1)近年、お掃除ロボットや自動運転システムなどの自動化システムの利用が増加している。自動化システムは、ユーザの活動を肩代わりして自律的に活動を行うという点で、ナイフやハンマーなどの身体活動を支援する古典的人工物や、コンピュータなどの認知活動を支援する認知的人工物といったこれまでの人工物とは異なる性質を持つ。これまでの研究では、自動化システム利用におけるユーザの特性としてのシステム利用傾向に着目し、その利用傾向と(a)システム動作の変化に対する鋭敏性、(b)システム動作の監視態度、そして(c)システムエラー警報への反応との関連について実験的検討を行い、自動化システム利用時のユーザの行動を明らかにしてきた。


(2)3Dプリンタの登場により、グラフィックスをオブジェクトとして複製することが可能になった。いくつかの病院では、CT計測された患者の臓器データに基づき、3D印刷された人体臓器を作成して、手術に利用する試みがなされつつある。これまでに、実験研究として、3Dグラフィックスと3D印刷されたオブジェクトの利用が、空間的推論(物体の形状や構造、または物体間の物理的関係性の推測)に与える影響について検討を行ってきた。また、臨床研究として、エスノグラフィの手法に基づいて、手術現場で生じる医師らの会話や行動を観察・記録し、そのデータに基づいて、3D印刷された人体臓器の利用が、医師らの認知活動に与える影響について検討を行ってきた。

経歴

  • 2013年3月名古屋大学大学院情報科学研究科メディア科学専攻博士後期課程単位取得退学
  • 2013年4月名古屋大学大学院情報科学研究科非常勤研究員
  • 2014年3月博士(情報科学)取得
  • 2014年4月名古屋大学未来社会創造機構研究員
  • 2015年10月名古屋大学大学院情報科学研究科特任助教

所属学会

  • 日本認知科学会
  • Cognitive Science Society

主要論文・著書

  1. Akihiro Maehigashi, Kazuhisa Miwa, Masahiro Oda, Yoshihiko Nakamura, Kensaku Mori, & Tsuyoshi Igami. (2016). Influence of 3D images and 3D-printed objects on spatial reasoning. Proceedings of the 38th Annual Meeting of the Cognitive Science Society, pp.414-419.
  2. Akihiro Maehigashi & Kazuhisa Miwa. (2015). Estimation of trade-off between costs of preprocessing and primary processing. Japanese Psychological Research, Vol.57, No.4, pp.269-362.
  3. 前東晃礼・三輪和久・寺井仁 (2014). 自動化システムの使用と信頼の役割. 認知科学, Vol.21, No.1, pp.100-112.