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研究者総覧「情報知」

メディア科学専攻

氏 名
寺井 仁(てらい ひとし)
講座等
認知情報論講座
職 名
特任准教授
学 位
博士(情報科学)
研究分野
認知科学 / 問題解決 / 洞察問題解決 / 情報探索行動

研究内容

洞察問題解決過程に関する認知科学的研究
洞察問題解決過程に関する認知科学的研究
 創造性や科学的発見に深く関与する洞察プロセスを,心理実験および計算機モデルを用いたシミュレーションを通して明らかにすることを目指す.人の問題解決行動は,初期状態から目標状態への問題空間の探索として捉える事ができる.通常,人は過去の経験を用いることにより,より効率的に問題空間を捉えた上で,問題解決を進めている.一方,洞察を要する問題解決では,過去の経験は問題解決の阻害要因(負の制約)として作用し,誤った問題空間の中で手詰まりの状態に陥る.そして,問題の解決は,手詰まりの状態からの飛躍的な解決として経験される.
 本研究では,洞察問題解決中の眼球運動測定や発話思考法を通して,洞察において経験される飛躍的な側面と,その裏で進む問題解決プロセスの統合的な理解を目指し実験的な検討を進めている.また,実験研究において明らかになった洞察の認知モデルについて,計算機モデルを用いたシミュレータションを通して,その妥当性の検証を進める.

行動モデルに基づく過信の抑止
 CREST武田プロジェクト(行動モデルに基づく過信の抑止,http://kashin-free.jp/)において,人とシステムが協調する系におけるシステムへの過信/不信のメカニズムについて実験的な研究を進めている.システムのトラブルや環境の変化によってシステムの能力が低下した際に,システムへの過信状態は重大な事故につながる.そのため,システムに対する信頼の認知的なバイアスやその変化のあり方を明らかにすることは,人とシステムとの協調を議論する上で鍵となる.
 現在,本プロジェクトの下,(1)自動化システムを使用する際のMisuse/Disuseに関する実験的検討を進めると共に,(2)車両の運転行動を対象に,「実験室環境」「ドライビングシミュレータ環境」および「実環境」という,環境の抽象度が変化した際の行動の一貫性に関する基礎的研究を進めている.
 
探索型検索システムに関する認知的研究
 Webにおける「探索的情報検索行動」を対象に,(1)人は,どのようにWeb上で情報探索を行っているか,(2)利用者のWeb探索を支援するにはどういう機能が望ましいか,また,(3)Web探索システムの機能はどのように評価されるべきかという問いに対して,心理実験による検討を進めている.実験では,利用者実験の手法に基づき,視線計測,操作ログ,発話プロトコル,そしてインタビュー等を組み合わせて,被験者のタイプ(初心者/熟達者など)と課題のタイプ(Web探索における目的)の2つの要因に着目し,Webの情報検索における行動特徴とそれを支える認知プロセスの解明を目指している.また,その知見にもとづいた,より望ましいWeb検索支援のあり方やインタフェースの提案も行っていく.

経歴

  • 名古屋大学大学院 情報科学研究科 メディア科学専攻 博士後期課程 修了
  • 名古屋大学附属図書館 研究開発室 助教
  • 東京電機大学 情報環境学部 情報環境学科 助教

所属学会

  • 日本認知科学会
  • 人工知能学会
  • Cognitive Science Society
  • 日本図書館情報学会

主要論文・著書

  1. Terai, H., Saito, H., Egusa, Y., Takaku, M., Miwa, M., & Kando, N. (2008). Differences between informational and transactional tasks in information seeking on the Web. Proceedings of Second Symposium on Informational Interaction in Context, 152-159.
  2. Terai, H. & Miwa, K. (2006). Sudden and Gradual Processes of Insight Problem Solving: Investigation by Combination of Experiments and Simulations. Proceedings of 28th Annual Meeting of the Cognitive Science Society, 834-839.
  3. 寺井仁・三輪和久・古賀一男 (2005). 仮説空間とデータ空間の探索から見た洞察問題解決過程. 『認知科学』, vol.12, no.2, 74-88.