パーソナルスペースの描画

パーソナルスペースの形に関しては，楕円として考えている (2.2.2節)ため， パーソナルスペースを表示するためには，楕円を描画し，さらに，それを進行方 向に回転させなければならない．本システムは，Java言語のJDK1.1(Java Development Kit1.1)であり，楕円を回転させるためのメソッドが存在しな いため，次の方法を用いる．

1.

 パーソナルスペースに相当する楕円の境界線上の点を複数とる^4.2．

2.

 個々 の人間の座標を原点へ平行移動させ，さらに楕円の境界線上の複数の点を 個々の人間の進行方向に合わせ，一次変換させる．

3.

 複数の点を実際の個々の人間が位置する座標へ平行移動し，それらの点をすべて 直線でつないでいく．

• 1について

  ここで問題となるのが，複数個の点のとり方であるが，各 点と各 点のとなり合う点との関係が，各点と楕円の中心と各点のとなり合う 点を結んだ角度と等しくなるようにする(図4.4参照)．また． 楕円の境界線上に存在する複数個の点の数をnとすれば，各点と楕円の中 心となり合う点の角度をaラジアンとすると，
  

  $$a = \frac{2\pi}{n}$$ (4.2)

  
  
  となる．

• 2について

  回転する角度に関しては，3.2.3により決定された個々人の進行方 向への角度を使用し，Changeメソッドにより，複数個の点すべてを座標 変換する．

• 3について

  最終的な描画は，Java言語のPaintクラスにおける， drawPolygonメソッドを用いて描 画する．

  
  

    

  Figure 4.4: 楕円上での点のとり方

  

  
  

   

Figure 4.5: パーソナルスペースフレームウインドウ

パーソナルスペースの大きさ，形に関する変数の初期設定は，以下の通りである．

• 全体領域：600$\times$600
• 変数名：青集団(左側),赤集団(右側)
  • MyArea：200,100
  • Roundy：9,10
  • Position：5,5