この緊急回避行動において最も効率であると考えられるのは,センサーと相手の
大きさの境界面との距離を測定し,その距離を緊急回避エリアを犯さない
程度とすることである3.7.
この2通りの方法の選択に際しては,通常状態であるか,または,どの種類の回避 行動を選択しているかということを選択基準に反映させる.
この緊急回避行動をとることは,日常的な感覚では相手側に譲 ることと類似している. 本システムでは,相手集団員が緊急回避エリアに侵入してきた際の緊急回避行動 については,常に1のパターンを用いる.また,同一集団内 では通常状態,あるいは回避行動をとっておりなおかつ回避対象 の後方へと進路変更するパターンであるときに,1のパター ンに適用する.
この緊急回避行動をとることは,相手側に圧迫を与え,相手側を譲らせることで あるといえる.逆にいえば,この緊急回避行動は,自分のセンサーを感じ た相手が,緊急回避エリアに侵入されないようにするために,自ら相手と の距離をとり,2人の緊急回避領域を保持する行為であるといえる. 本システムでは,相手集団員が緊急回避エリアに侵入してきた際の緊急回避行動 については用いない.また,同 一集団内では,回避行動をとっており,なおかつ回避対象 の前方へと進路変更するパターンあるいは進路変更せずに速度のみで調節 するパターンに適用する.