Research

研究内容


主な研究は,計算流体力学,実験流体力学と,コンピュータビジョンを用いた一般物体認識です.

Main interests of our research are on the computational fuild dynamics, the experimental fuild dynamics and the generic object recognition using computer vision.

以下に,研究室で行われている研究のいくつかを紹介します。 (Updated on 2019 Apr. 1)

画像中の物体の種類や物体の領域の検出,物体追跡などの手法を,近年主流となっているディープラーニング等の観点から,研究を行っています.例えば,特に頻繁に用いられている深層畳み込みネットワークを利用した,画像中の物体の種類と領域の同時取得についての手法の提案しました. 現在,様々なネットワークやそれが持つ情報を考慮して,画像から上記のような情報を得る手法の実用性の向上や,新たな手法の可能性を探求することを目的として研究を行っています. (研究事例
円筒容器内の回転円盤まわりに発達する流れの複雑化過程について研究しています. このような回転物体により引き起こされる流れは,各種のターボ機械や, ハードディスクなどの情報記憶デバイスに現れます. また,電力需要ピーク時に対応するための,大型フライホイール蓄電装置の フライホイール周りの流れも,このような流れになっています. 本研究では,ケーシングと回転円盤の半径方向,軸方向の隙間を考慮し, 数値的,実験的に解析を行っています. (研究事例
近年注目を集めているオープンソースの数値流体解析用ライブラリである”OpenFOAM”を用いた流体の数値的研究を行っています. キャビティ流れやダクト内の流れなどの簡単な流れ場から,自動車などの輸送機器周りの複雑な流れ場にも対応した計算を行うことが出来ます. GUIを用いれば,複雑なコードを自分で書くことなく流体シミュレーションが可能です. 現在,先行研究によって詳細が明らかになっている基本的な流れとの比較を行い,OpenFOAMの妥当性や実用性を確認しています. (研究事例
大きな茶筒に小さな茶筒が入っています。 いま、小さな茶筒が回転を始めました。 すると、大きな茶筒と小さな茶筒の間には、 遠心力を受けた空気や水が運動する流れが生じます。 この回転二重円柱間の流れはテイラー渦と呼ばれ、 複雑系力学現象の典型の一つです。 特に、円柱の長さが有限の場合が、近年注目を集めてます。 本研究では、円柱両端が固定端の流れに加えて、 一方が自由端における自由表面の波立ち現象の解析を、 実験との比較を行いながら数値的解析を行うことを目指しています. (研究事例
人同士の動きの似つかわしさや、雑踏の中での特定の目的を持った群衆の 動きを、同定する方法について研究を行っています。 これには、幾つかのアプローチがあります。 人の特定な部分を複数台のカメラで追跡することにより、複数の画像面に 写った動作の近似性を、相関係数をにより判定します。 また,人の部分を、特定な個所に限らせるのではなく、人の動き全体の傾向を オプティカルフローで観測し、そのヒストグラムの分布の近さから、 運動の類似性や、雑踏からの群衆の分離を行います。 これらは、複数の人が通常動く動線から外れた、異常な行動を行う人の検出にも 有用です。 ( 研究事例
人の置き忘れ防止を支援するユビキタス環境、 放置物体監視のセキュリティ環 境の構築を将来の目標とした研究を 行なっております。 そこで、カメラから得られた画像列を用いて、人の動きと、 人が持つ物体の動 きとを区別して認識し、 人が物を「置いた」または「移動させた」という イベントを認識してその履歴を保存し、後に検索できるシステムを開発します。 ( 研究事例
複数の能動カメラが協調して能率的な作業を行うためには、 各カメラがお互いの位置、姿勢を知る必要があります。 しかし、このカメラの校正は、なかなか骨の折れる作業です。 この校正を効率化する方法を考えています。 また、この結果を利用して、 複数の移動体を追跡しながら広範囲の空間マップ を作成していきます。 ( 研究事例
視覚誘導ロボットに学習をさせます。 ロボットは目的地まで誘導される、あるいは自発的、経験的に運動を行う間に、 その運動環境を理解します。 これを用いれば、最近売り出されている掃除ロボットも、 最初は非効率的な作 業をしていたものが、使い続けるうちに、 あっというまに部屋をきれいにしてくれるようになるでしょう。 ( 研究事例
話言葉や仕草など、ある一連の動作が特定の意味を持ち、 それが私達のコミュニケーションで役立っています。 このような動作は、その動作に気づいて、 それが自分の納得できる意味を持っているかという判断基準に基づき理解されます。 この事実に基づくと、認知システムの精度が改善できることが期待できます。 従来の隠れマルコフ過程に加えて、いくつかの方法を検討して、 モデルの構築を行います。 ( 研究事例
雑踏の中での人の動きを考えてみましょう。ある人は「他人がいようが、俺は 俺の道を行く」という潜在的意識があるでしょうし、ある人は「混雑って、苦 手だな。前から来る人をどうやって避けようかな」と思うでしょう。このよう な多様な意識を持つ人間の集団の行動を表します。人間が、「これが私の認識 範囲」、「これが私の強気度」というパラメータを変化させることで、人間の 行動は、どのようにかわるでしょうか? ( 研究事例



現在人間がコンピュータに意思を伝える手段としてマウスやキーボードが 用いられています. 一方,人間同士のコミュニケーションにおいては音声情報さらにボディ ラングエッジと呼ばれるような動作による意思伝達を行っています. そこでカメラの入力画像を解析することで人間の意図を理解するシステム開発 を進めます. そして,人間とコンピュータのコミュニケーションの円滑化を図ります.
人に代わって資材の運搬をロボット群によって効率的に行なえるよう、 広範囲を見渡せるカメラとロボットに搭載するカメラからの画像を用いて ロボット群の行動制御を行ないます。 ロボットは、無線 LAN、自立行動のためのマイコン ボード、駆動系を備えて おり、各ロボットは情報を共有しながら与えられたタスクを 効率的にこなすようにします。 カメラからの画像情報の処理法、ロボット制御などを逐次検討し、 その有効性と改良を進めます。
各個人が自らの仕事をこなすことで社会が成り立っているように、局所的な部 分が、その部分に規定されたタスクをこなすことで、大きな現象の挙動が実現 できるのではないかと期待できます。 この期待に沿い、流動現象の解明にも役立っている方法に,セルラオートマト ン法や格子ボルツマン法があります。 これらの方法は、モデル化次第で、複雑な各種の状況にも適用できる可能性を 秘めています。 これらの方法を用いて、実用的な流れを容易に予測するための研究を進めます。
一つのシーンにおいて、上下や右左の関係を理解し、現在注目したいところへ フォーカスをあててくれるビジュアルインターフェイスを考えます。 テレビ中継において、「このフリップのこの右上の数値に注目してください」 とか、「あの山の下にみえる青い屋根の建物が目的の家です」といえば、その 当該部分をズームアップする未来を見たテレビ会議システムにも必要なコミュ ニケーション機能です。
私たちは、空間情報について、定性的な表現を用いて考え、コミュニケーショ ンしています。となれば、私たちと計算機の間、さらには計算機間の会話にお いても、定性的な表現が導入できれば、私たちに受け入れやすいでしょう。 このため、上、下、左、右、大きい、小さいなどの定性表現を用いた空間情報 についてのメッセージ交換方法、推論方法を考えていきます。
物体まわりの流れは、流れの速度が大きくなると次第に乱れてきます。この現 象は、平板などではよく調べられています。しかし、通常の流体機械に見られ るような、流れ方向や横方向に丸みをもった物体や回転する物体を過ぎる流れ の場合には分からないことが多々残されています。この曲率を持った流れの不 安定性を、数値的に解明していきます。
全く未知の環境で、正しい判断をするための知識を獲得することは、私達にとっ ても容易なことではありません。このような知識の獲得、つまり学習を、計算 機で行おうという試みの一つが強化学習です。 この学習形態を、インターネットのホームページ探索に利用しない手はない。 個人の好みを学習し、適切なページを提示できるような知的なアシスタント ブラウザ-の構築を目指します。
流れの現象を定性的、直観的に把握するためのドメインオントロジーの構 築方法を調べています。東風吹かば、大宰府に梅の香りが漂うようになり ます。また、時間の流れの中では時の過ぎ行くままに自らをまかせます。この 時、香りが漂うことや時が過ぎることは、必ずしも厳密な東風の早さや、ストッ プウォッチを用いた時間計測をしているわけではありません。何か、一つの物 理現象が起れば、それに引き続き起る現象は、物理が得意とする「法則」を用 いなくても、ある程度予測できます。これは、私たちが日常行っている考え方 に沿うものです。これを計算機上に実現しましょう。
研究関連文献


Web上で体験できる研究成果
テイラー渦のモード形成シミュレーション
(回転2重円柱間の流れの発達過程の様子が、アニメーションでご覧頂けます)
テイラー渦モード形成過程におけるセルの追跡
(時々刻々と発生、消滅するセルの中心を、時間的に追跡します)
集団で行動するエージェント間の回避行動のシミュレーション
図推論システムのデモンストレーション (日本語を用いての線図形を介した計算機との対話)