いつものように6時には起き、シュラフをたたむ。7時から朝食だ。フレンチ・オニオン・スープとスクランブル・エッグ・ウイズ・トースト、それにオレンジ・ジュースをたのむ。オニオン・スープの方はどうも好みに合わなかった。
半にはホテルを出発する。ここはもう深い谷間ではないので朝の町並みを日差しが照らしている。10分ほど街の通りを南に進み、路地を左手に入る。するとカリ・ガンダキに吊り橋がかかっている。朝の通勤といったところか、行き交う市民も多い。
橋を渡り、路地を抜けると人だかりの広場に出る。するとそこにはTATAトラックやバスなどが何台か止まっているではないか。いつの間にかにヒマラヤの僻地から自動車文明の届く地に戻ってきてしまったようだ。
マルドゥンガに向かう1台目のトラックの荷台はすでに人で満載だ。すかさず客引き中だったトヨタの荷台に乗り込み座席を確保する。さっきのトラックは荷台そのままだが、こちらは座席がしつらえてあり幌でおおってある。自然と我々が座った右側には男達が腰掛け左側は女性が座り、座席の間の空間にも入れるだけの人を乗せるとトラックは出発した。
道はいかにもこないだブルドーザーで切り開きましたよといった状態で、カリ・ガンダキの左岸を走る。でこぼこな道をスピードを落とさずに走るので、車体が川の方へかなり傾く。乗り物には今までにもいろいろ乗ったが、川に落ちないか冷や汗ものの経験をさせてくれたのはこれが初めてだ。
川に落ちずに通過した後の次の難関はゲートだった。道路の途中に鉄の棒を上げ下げする検問所のようなところがあり、閉じたゲートのこちら側にも向こう側にもトラックやTATAバスがつかえている。人だかりの真ん中では男達がなにやら談判の最中である。
想像するに最近できたこの道の通行料をはらう・はらわないといったことではないだろうか。どういう決着をつけたのかはわからないが15分ほどしてここも通過する。
舗装道路と合流するカリ・ガンダキ・ブリッジの手前でトラックを降りた。ここからポカラまではタクシーを拾うことになる。
待ち構えているタクシーの1つに乗り込む。ポカラまで1000ルピーというのはだいぶ足元を見られている気がするがトランクに荷物を押し込んだ。年代もののカローラだ。
ポカラまでの道筋では色々な動物を見かけた。タクシーに乗り込んだ橋のたもとには豚がいて、しばらくアスファルトの道を走ると牛が道をふさぎ、次はガチョウが道の真ん中にいてしかも車が来てもどかない。馬やヤギはいつもの風景で、ポカラの街には11時頃ついた。
ポカラはダムサイドでの滞在となった。1件目にあたったホテルは満員だったが、幸運にも2件目の宿で3階南側バルコニー・バス付きの良い部屋がとれた。しかも我々の他にはインド人家族しかいなく静かでいい。
ここポカラではねをのばした後、空路カトマンドゥに戻り、数日後には日本だ。