<Tatopani〜Beni>

14日目:Tatopani(1190m)からBeni(830m)へ

 いつもどおり朝6時頃起きる。シュラフを片づけ荷物のパッキングをする。ニルギリ(山)の朝焼けを見れるかと期待していたが見逃してしまったようだ。昨日の夕焼けはよかったのに。
 朝食はトマト・オニオン・オムレツとオレンジ・ジュースを頼む。今村さんはブレークファースト・セットだ。調理場かどこかで別に食事(たぶんダルバード(*1))をすることの多いバハドールさんやペンマさんも今朝はブレークファースト・セットだ。

 7時半頃にタトパニを出発する。この町の南のポリス・チェック・ポイントではトレッカーが渋滞していてパーミットのチェックを受けるのに時間がかかった。タトパニはポカラからの軽トレッキングの範囲に入るのでトレッカーも多くなる。
 結局、ここを出たのが8時ごろになる。そこから15分ほど歩くと吊り橋を渡って左岸に移り、ゴレパニ(Ghorepani:2750m)との分岐点に出る。たいていのトレッカーはここからゴレパニを経由してポカラへ向かうので、ここから先はトレッカーを見るのはまれになった。
 トレッカーの代わりに見かけたのは現地の人たちだ。朝方は、ニワトリ運び屋さんがニワトリを籠づめにして運んでいた。彼ら以上によくすれ違ったのはロバの荷運び隊?だ。車の入らないタトパニなどの物質的な豊かさは彼らが支えているのだろう。

 右岸へ吊り橋を渡りその先の小さな集落でお茶休憩をする。時間は10時前ぐらい。谷が深いので今ごろの時間でもまだ日陰の多い分だけ助かる。空模様と風は秋なのに、この辺りはまだセミが鳴いている。日が高くなるとかなり暑くなるだろう。
 1時間ほどしてまたお茶休憩をする。暑い。ここでTシャツとなる。遠慮なくファンタをいただく。値段的には今村さんら3人分の紅茶代を払ってもお釣がくるぐらいだ。しかし汗かき人間にとっては冷たい飲み物の魅力には勝てない。寒いところから戻ってきただけになおさら暑いのだろう。

 暑い日差しの中を南へ進む。ひたすら頭の中は次の休憩での冷たい飲み物だ。とにかく足を動かして昼半ばに(Galeshor:850m)の町にたどり着く。昼食はカリ・ガンダキの支流を渡った川岸にあるゲスト・ハウスでとる。ここのテラスは背後に川が流れていて涼むのにちょうどいい。川では子供たちが水遊びをしている。
 まっさきに注文したのはレモン・ジュースだ。すかさず2杯目をたのむ。昼食には今村さんがミックスド・ベジタブル・スープ、ミックスド・ベジタブル・フライド・ヌードルだ。「ミックスド」というのが具の中身に期待を持たせる。私はスイート・コーン・スープとダルバード・タルカリだ。ダルバードはけっこうボリュームがあり、ここのサウニ(女主人)がおかわりはどうかと勧めてくれたが、すでに満腹になっていた。

 地図を見るとベニ(Beni:830m)までは川沿いを真っ直ぐ進むルートでそう遠くないようだ。予想通り14時に出てから40分ほどでベニの宿に着いた。ベニは町というよりは街である。都会というような垢抜けたところという意味ではないが、もう山奥の町でないのは確かだ。店の数や人の数もはるかに多い。ここではオートバイも見かけた。文明の利器が届く場所なのだ。
 宿はホテルという響きが納得できる、街の中では比較的いい建物だ。部屋に荷物を広げた後は毎度のごとくスリッパになってファンタやオレンジ・ジュースを飲み、ヤク・チーズ・ボールやポップ・コーンをつまむ。今村さんはすでにビールにいってる。
 町を散歩しに出る。プラスティック製や金属製のバケツや瓶、文房具屋にコールド・ストア、履き物屋さん、銀行に警察となんでもある。ただ逆に面白いのは観光客目当ての店が目につかないことだ。この街のホテルも我々が滞在している所のほかには他に1件ある程度らしく、そう観光客が押しかけるところでもないのだろう。

 夕食はトマト・スープ、スペシャル・イェティ?・ステーキ、オレンジ・ジュースだ。ステーキといっても牛はネパールでは神聖な存在なのでビーフではない。水牛やヤクが代用されているようだがこれらが牛の範疇に入らないかは多少疑問だ。今村さんはトマト・チーズ・スパゲティとベジタブル・スープ、レモン・ティーをたのんだ。
 食後、登山界では有名らしいフランス人のジュリーさんとそのガイドさんと同席になった。彼女は8000m級をアルパインスタイル(無酸素)で6つほど登っているという。経歴はぶったまげているがとても陽気でよく笑う人だ(けっこう美人でもある)。いまダウラギリのベース・キャンプに装備が残してあり、明日ポカラへヘリコプターの手配を頼みに行くという。ネパール語もぺらぺらだ。

 夜、部屋に戻るとペンマさんらがマルファから瓶づめしてきたアップル・ブランディがアリにまみれて黒くなっている(部屋は2階なのに)。彼らにそれを言ったがまったく気にせず大丈夫だという。そのままほったらかしでベットに入った。

(*1): ネパール版定食。ご飯に豆のスープ(カレー風味?)に芋などの野菜の付け合わせからなる。ご飯と豆スープのおかわりは自由らしい?。

<15日目:Beni→Pokhara>


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