<Muktinath〜Jomsom>

9日目:Muktinath(3800m)からJomsom(2710m)へ

 今朝は6時ごろ起きる。風邪のせいで鼻やのどの調子が悪いのは相変わらずだ。とりあえず荷物のパッキングをし、ロッジの食堂へ向かった。
 体力回復のためにもしっかり栄養を摂りたいところだが、昨日のことも考え消化のよさそうな?ベジタブル・ヌードル・スープだけを腹に入れる。今村さんが食事の間、ボーと待っているのもなんなのでカメラ片手に聖地の寺院を見に行くことにした。
 寺院はムクティナートの東端にあり、街(というよりは街道沿いの集落)を東へ戻ることになる。霜が降り、水路からあふれた水が街道上で凍っており、朝の寒さを物語っている。
 途中、バハドールさんとすれ違う。彼も寺のほうに行っていたようだ。出発が遅くなるのか気にかけたようなので、すぐ戻るとだけ言っておく。
 寺までの道ではティベタンの人たちがもう店出しをはじめていて、路上の脇に布をひいてネックレスのアクセサリーやマニ車、仏像の小さいやつなどをならべている。
 まだ8時前後の時間だが欧米人も結構な人数が寺の門をくぐっていく。彼らの後ろにくっついてお堂らしきものの一つに入る。博物館に見学にきたというような風情で広くもない建物に人だかりができている。壁面にはいかにもティベット系の仏画や文様が描かれている。トラや人が描かれたものもあり、こっちのほうは中国的な?雰囲気のものだ。
 建物自体はそう多くなく、斜面には寺院の殺風景な境内がひろがる。樹林のような視界を閉ざすものがない空間と、参道の両脇に申し訳程度に生えている葉の落ちた木々が独特な「わび・さび」の境地を呼び起こす。

 ロッジに戻り、8時過ぎに出発。見晴らしのいいルートをカリ・ガンダキ(Kali Gandaki)(川)までえんえんと下る。真っ青な空の下に雪を抱いた山々がつらなり、手前の褐色の斜面にはカリ・ガンダキまで下っている道が続いている。
 ルートはカグベニ(Kagbeni:2800m)を通らない近道を進み、エクロバッティ(Eklaibhatti:2740m)に10時半頃到着。一件の(エクロ)茶屋(バッティ)という意味らしいが、現在は4件ほどの店がある。ここのヒルトン(HILL TON!)でお茶休憩をする。土産物としてアクセサリーやなんかをならべてあるが、その中に黒い丸みをおびた石がおいてある。これは二つに割れるようになっていて中にはアンモナイト?の化石になっている。
 ここからジョムソン(Jomsom:2710m)まではカリ・ガンダキのだだっぴろい河原の歩きになる。たまーに現地の人やトレッカーとすれ違う。

ジョムソンにて
 
ジョムソンには12時頃に着いた。ポリス・チェック・ポイントに寄ったりして昼食をとりにあるホテルに入る。ここの街は飛行場(と言うよりは滑走路と建物)があるだけに、物品は豊富だ。雑貨屋さんも何件かあり、そのうちの一件で絵はがきと切手を買う。
 物品の豊富さはメニューを見ても感じた。好物のマンゴ・ジュースはすかさず注文し、昼食としてトマト・マッシュルーム・スパゲティを頼む。はっきり言って美味かった。腹の調子に不安がなければ、ぺろりと全部平らげるところを泣く泣く半分残した。今村さんはミックスド・チョウメン、アップル・パンケーキ、ミルク・ティーの小ポットといったところ。
 はじめの予定ではマルファ(Marpha)まで足を伸ばすことになっていたが、ここに事務所を抱える(今村さんが会員であるNGO)M.D.S.A.の近藤さん(*1)が15時頃まで不在だったり、風が出てきたこともあり、ここのホテルに泊まることになった。
 午後からはジョムソンの街を散策する。街はカリ・ガンダキを挟んで両岸にあり吊り橋で結ばれている。絵はがきを出しに郵便局へ行ったが閉まっていた。間違いないとは思うが外にあった郵便ポストであろうものに投函しておく。ちゃんと届くのだろうか?
 街には電線が張ってある。電柱は日本にあるようなコンクリート製でなく、円筒形のスチール製で釣竿のように何本かの円筒を伸ばして使うようだ。その中の一本にネパールの国旗といっしょに日の丸を描いたマークがあった。

 夜、ホテルではバハドールさんペンマさんがマルファから来たダウラギリ隊のコックの人と一杯やっている。ここのホテルは宿泊客がそう多くないせいか、静かでいい。
 夜がふける。街の明かりが多少邪魔だが天の川が見える。

(*1): Mustang Development Service Association(ネパール・ムスタン地域開発協力会)の代表をしている人。

<10日目:Jomsom〜Marpha>


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