<BesiSahar〜Bahundanda>

1日目:BesiSahar(820m)からBahundanda(1310m)へ

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 夜が明ける。屋上に上がり外を眺めるとベシサハール(BesiSahar)の家々は朝もやの中に沈んでいる。しかし昨日とは違い空は青く、西にはアンナプルナの山々の白さが空を背景に映える。出発にふさわしい朝だ。

 外を少し散策する。まちをつらぬくとおりを離れると、腰ぐらいの高さの稲が実った田が広がる。山間の田園の中にぽつんぽつんと農家だろう家がある。そのような集落にいつの頃からかトレッキング目的の外国人がやってくるようになり、彼ら相手の商売をする宿なんか街道沿いにたっていったのだろう。
 朝食をとり、荷物をまとめる。7時半、ホテルの前で4人で記念撮影をパチリととり出発だ。  マルシャンディ(Marsyandi)川に沿ってルートを上流の方へ進む。ベシサハールをでると車とは無縁の世界だ。ルートを行き交うのは馬か人ぐらいのものだろう。谷が狭まってくると田はみごとな段々となってつくられている。
 半袖でも汗ばむ・・・いや汗をかくほどの暑さだ。休憩時の水分補給は欠かせない。

 吊り橋を渡って対岸に渡り、10時ごろブルブル(Bhulbhule:840m)で休憩をとる。ここにはACAP(*1)のチェックポイントがある。紅茶を飲んで出発。
 1時間ほどしてンガディ?(Ngadi:930m)に到着し、ここはちいさな集落だが街道をはさんで両側に2階建ての家が数件たっている。家に挟まれた街道は石畳になっており、通りに面した食堂にはテーブルやいすがならべられ、休んでいってくださいと誘い掛けてくる。少し早いがここで昼食をとることになった。

 現地の人には失礼だが、電気の普及率の高さは予想以上だった。さらにおどろいたのは食事に入ったところに白い冷蔵庫があったことだ。しかも一人暮らしの下宿生がつかうような小さなものではなく、人の背丈ちかくあるおおきさのやつである。いったい誰がかついできたのだろうか・・・?

 食事の後、バフンダンダ(Bahundanda:1310m)には1時間ほどで着いた。一つ目の急坂を上がると茶屋があり、二つ目は大木の木陰が途中にある登りで、ここを上がるとポリス・チェックポイントがある。三つ目の坂をあがると菩提樹をかこんだ広場のようなところに出る。このような小高い丘のようなところに今夜の宿であるティベタン・ホテル(TIBETAN HOTEL)はあった。

 宿についたのは14時とまだ日が高く時間的にはかなり余裕がある。夕方まであるけば距離は稼げるが、今回は登山とは違い長丁場のトレッキングだ。疲労をためないように考えたスケジュールだ。宿ではのんびり過ごした。
 一階が食堂、二階が各寝室になっているこの<ホテル>は、ネパールの田舎にある掘っ建て小屋といった雰囲気があって面白い。壁は板を並べて打っただけで隙間だらけ。窓から外を見ると山の斜面に緑が広がり、街道の方を見れば先へ進む欧米人トレッカーや馬の隊が荷物を運んでいる。ウシネコ・アルー(ジャガイモ茹で?)を食べているテーブルの下では、にわとりが散歩をしている。
 (うかつにチキン・カレーやチキン・スープを頼むと、彼の寿命にピリオドを打つことになるかもしれない。)

 「夕食はどうしますか?」とバハドールさんがメニューを持ってきた。オーダーと食べる時間を指定しておくほうが段取りがいいらしい。メニューはンガディで見たものと全く同じだ。どうやらHotel Management Committee BesiSaharというところが管理しているらしい。無論、おなじ料理を頼んだからといって同じ物が出るてくるとは限らないということは、これからの行程で身をもって知ることになるが・・・
Np97034.JPG"  夕食にはオニオン・スープやベジタブル・フライド・ヌードル、それにアップル・パイを食べる。食事をしていると電気が突然切れ、真っ暗になった。別段めずらしいことではないらしく、主人がもってきたろうそくが電灯のかわりとなった。

 

(*1) Annapurna Conservation Area Project。

<2日目:Bahundanda〜Tal>


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