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候補決定の手法

 本節では, ユーザの要望に対して最適な物体を選出する手法について述べる.
 ユーザはカメラから得られる映像をもとに, 見たい物体を要求する. ユーザの要望は次のようなものである.  カメラを動かす過程で発見した物体は逐次的にデータベースに追加される. データベース内のある物体ij(但し, $i,j \in N$, Nはデータベース内の 物体の集合)に対しての 向き指向性 $D_{i \rightarrow j}^{orientation}$と特徴量Aiとの 積 $M_{i \rightarrow j}^{orientation}$をユーザの要望に対する適合度とする.

 \begin{displaymath}M_{i \rightarrow j}^{orientation} = D_{i \rightarrow j}^{orientation}A_i
\end{displaymath} (4)

$M_{i \rightarrow j}^{orientation}$を最大にするiが最適な物体 として選出される.
 例1の場合, 「右」とはカメラ視野中心に対する向きなので,

\begin{displaymath}M_{i \rightarrow center}^{right}
\end{displaymath}

が適合度であり, これを最大にするiを選出する.
 例2のような2物体間の位置関係を含む場合は, カメラ視野中心に対する「左の緑の円」の適合度 $M_{i \rightarrow center}^{left}$とそのiに対して「上にある赤いもの」 の適合度 $M_{j \rightarrow i}^{above}$の積

\begin{displaymath}M_{i \rightarrow center}^{left}M_{j \rightarrow i}^{above}
\end{displaymath}

を最大にするjを選出する.
 適合度が極端に小さいときは, データベース内には合致する物体がないものとし, 指示された向きにある未知の領域からより大きな適合度の物体を探す.



Yutaka Sugano 平成13年3月15日