これは,2つの集団の他の変数が同一であることから,同じような回避方法をと る性質をもっており,MyArea変数の値にあまり差がなければ,相手を認知するタ イミングも近くなり,その結果,両者ともほぼ同じ行動をとってしまうと考えら れる.また,MyArea変数の値がお互いに大きいほど,早い段階で,相手を認知することができるために回避行動も早い段階で起こり,MyArea変数の値がお互いに小さいと きよりもスムーズな回避行動がとれるからであると考えられる.
また,日常生活において街など人の通行量が多く,たいていの人が何らかの目標 に向かい歩行している際に,目の前に現れた相手と同じような回避行動をとって しまい,衝突寸前で止まるといった経験を持っている人は多いはずである. 今回のMyArea変数の組み合わせにおいて,適切な回避行動がとれなかった というパターンは,日常生活における回避行動の失敗例と類似しているといえる.