2012年10月05日情報システム学専攻・情報プラットフォーム論講座
枝廣研究室(枝廣正人教授、加藤真平講師、中村一博助教)
【シングルプロセッサからマルチ・メニーコアプロセッサへ】
いま、情報システムの頭脳ともいえるプロセッサが大きく変わろうとしています。シングルプロセッサからマルチコア、そしてメニーコアへ。電子回路の最小単位であるトランジスタの最小寸法が100ナノメートル(1ミリメートルの1万分の1)を切る中、単体のプロセッサが性能限界を迎えています。一方で情報システムへの性能要求はますます高まっているため、単一のプロセッサでは性能要求を満足できない時代になってきました。例えばスマートフォンでも複数のプロセッサを使うようになってきています。 一つのLSIに複数のプロセッサを搭載したものをマルチコアといい、中でも数十を超えるようなプロセッサを搭載するものをメニーコアとよんでいます。ところが、多くのプロセッサを効率よく使うようなソフトウェアを記載することは簡単ではありません。枝廣研究室ではそのようなマルチコア、メニーコアプロセッサを前提としたときの、将来のシステムやソフトウェアに関する研究を行っており、並列分散システム研究室(PDSL リンク:http://www.pdsl.jp/)と名づけています。
【研究の内容】
PDSLでは、とりわけメニーコア技術、組込みソフトウェア、クラウドコンピューティング、オペレーティングシステム、並列化アルゴリズムなどの研究テーマに力を入れています。その応用分野として車載システム、交通システム、電力制御システム、科学シミュレーションなどが挙げられます。教授の枝廣は2011年4月に、 講師の加藤は2012年4月に名古屋大学に着任したばかりの新しい研究室です。現在、PDSLは組込みリアルタイムシステム研究室(ERTL)のサブグループとして活動しています。
【研究テーマ】
主な研究テーマとしては、
- スケーラブル並列アルゴリズム
- 階層並列化
- 組込みメニーコア技術
- オートパイロットシステム
- クラウドコンピューティング
- オペレーティングシステム
- リアルタイムシステム
- 交通流シミュレーション
- 核融合プラズマ制御
- GPGPU