2009年09月17日計算機数理学専攻
・専攻案内
計算機数理科学専攻では、情報科学の基礎を支える計算機科学および数理情報科学の教育・研究を行なっています。具体的には、数理論理学、離散数学、確率解析、計算量理論、符号理論、暗号理論、アルゴリズム論、計算モデル論、プログラム意味論、量子情報、量子計算、最適化などを対象としています。これらの数理科学的方法による情報科学の構築は、基礎から応用まで、また、文系から理系まで、境界領域の幅広い問題を統一的な方法論で扱うことに特色があります。
・中国大学説明会報告
酒井正彦教授は、平成20年11月27日から29日まで、情報システム学専攻の結縁祥治教授とともに復旦大学計算機学科及び上海交通大学計算機学科を訪問し、本研究科の説明及び研究紹介を行ないました。11月28日には、上海交通大学で開かれた名大上海事務所主催の大学説明会に環境学研究科、工学研究科、法学研究科の代表とともに参加しました。名大上海事務所は、上海大学のXujiahuiキャンパス(旧キャンパス)より徒歩5分程度のビルの27階にあり、面積は約150平米で、応接室と15名程度が収容できる会議室があります。
-名大上海事務所に関するページ:http://www.nushanghai.net/jp/
・受賞報告
1.FIT論文賞:
柳浦睦憲准教授、小野孝男前助教、平田富夫教授らは、グラフ彩色問題の一種である均等辺彩色問題(nearly equitable edge coloring problem)という基本的な問題に対して効率的なアルゴリズムの開発に成功し、その成果により2007年9月6日、第6回情報科学技術フォーラム(FIT2007)においてFIT論文賞を受賞しました。
-FIT2007 第6回情報科学技術フォーラムのページ:
http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/fit/fit2007/
-FIT論文賞受賞者掲載ページ:
http://www.ipsj.or.jp/01kyotsu/award/fit_ronbun/002.html
2.LIONII最優秀論文賞:
小野孝男前助教、柳浦睦憲准教授、平田富夫教授らは、代表的な組合せ最適化問題のひとつであるグラフの頂点彩色問題に対して、半正定値緩和に着想を得た新たな解表現方法を提案し、それを組込んだメタ戦略アルゴリズムを開発し、その成果により2007年12月11日、国際会議「Learning and Intelligent Optimization Conference(LION 2007 II)」において最優秀論文賞(best paper award)を受賞しました。
- LION 2007 IIのページ:
http://lion.disi.unitn.it/intelligent-optimization//LION2007bis/bpa.php
-論文賞に関するページ:
http://lion.disi.unitn.it/intelligent-optimization//LION2007bis/bpa.php
3. 日本数学会賞:
中日新聞2008年9月30日夕刊で既報のように、日本数学会は、2008年9月25日に「量子情報の数学的基礎」に関する業績で2008年度日本数学会賞秋季賞を小澤正直教授に、9月26日に「Levy過程と無限分解可能分布の研究」に関する業績で2008年度解析学賞を佐藤健一名誉教授に授与しました。佐藤名誉教授は、本学教養部数学教室で長年、研究・教育に携わり、人間情報学研究科及び情報文化学部の設立に多大な貢献をされました。
-日本数学会の顕彰事業に関するページ:
http://mathsoc.jp/prize/
-2008年度日本数学会賞秋季賞受賞理由:
http://mathsoc.jp/office/prize/haruaki/ozawa2008aki.html
-2008年度解析学賞受賞理由:
http://www.math.kobe-u.ac.jp/a-prize/