研究内容

2次元図面(三面図)からの立体生成に関する研究

 機械部品などの三面図から電子計算機上で立体生成(三次元空間上の図面情報の展開)を行う場合、現在までに提案された手法では面図間に矛盾が存在すると生成に破綻をきたします。実用上、ユーザーが意図した立体またはそれに近いものが生成されることが望ましく、研究では面貼り合わせの方針にて取り組んでいます。
 この手法では各面図ごとに線分の集合から形成されるループを探索し、そのループを面(またはその投影)として面図間の拘束条件をもとに三次元上で合成します。生成された結果の検証にはOpenGLを用いたViewerを開発し、それを用いておこなっています。

 とくにこの研究で重点を置いているのが、(曲面を含む)誤りのある図面からの立体生成であり、誤りとしては線分の不足・(生成立体に全く寄与しない)余分線分の存在・面図間での不整合を想定しています。立体生成の過程を構成要素(頂点・線分・面など)をオブジェクトとして扱い、これらを階層的に下位部分から構築してゆくことにより誤り箇所の特定ができないかと考えています。理想としては誤り箇所を特定して作図者の意図を推定し、期待されていた立体を自動的に提示することなんですが・・・。

これからこの分野を始めようとする(学部・修士の)方へ

この分野の全体像を把握するには、以下の論文に目を通されるとよいと思います。
関連する論文は参考文献からほぼ芋づる式にたどれます。
(現状に関するものは最新の報告がないか確認してください。)

・青村 茂,図面から立体を作成するシステムの研究動向とその実用化(図面からソリッドモデルの自動生成),日本機会学会論文集(C編),Vol.61,No.586,pp.2180-2189(1995-6).
・沼尾 雅之・増田 宏,三面図からのソリッドモデル変換技術の現状,人工知能学会誌,Vol.11No.4,pp.542-549(1996-7).

バックグラウンドの知識としての参考書はいろいろあると思いますが、次の本はどうでしょうか?
・R.J.ウィルソン著,斎藤伸自・西関隆夫 共訳,グラフ理論入門,近代科学社,(1985).

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