名古屋大学 情報文化学部 自然情報学科 4年
情報処理基礎学講座 渡邉研究室

奥野昌宏


2002年度卒業論文: 丸め制御と関数解析に基づく精度保証付き数値計算

概要

  コンピュータを用いる数値計算において,その計算結果は厳密に正確なものでは なく,ある程度の誤差をともなっている.これは,無限桁数が有限桁に近似される ことに起因する.そこで,計算結果に含まれるこの誤差を評価できれば,コンピュー タが行う計算において真の値の範囲 を確定することができる.このような計算を,精度保証付き数値計算という. 

  従来,ある問題に対して,通常の数値計算に要する時間に比べ,その精度保証に 要する時間は膨大なものであると考えられていた.また,精度保証の方法すらわ からない問題も多数存在していた.しかし,1990年代に,この分 野の研究が急速に進み,現在では実用 段階に達している.

  本研究の目的は,具体的な問題の数値計算結果を精度保証し,その効果を確かめる ことである.具体的問題として,内積問題,行列の積と,Falkner-Skan方程式の二 つの解法として,差分法とねらいうち法についてとり上げる.この四つの問題を精度保 証することで,様々な角度からの精度保証への検証を試みる.

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